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  3. 水は腐るって本当?!腐る理由や期間を徹底調査!

コップに入れた水や、ペットボトルの飲み物を放置していたらいつの間にか腐ってしまった。そんな場面に出くわして、「そもそも水って腐るもの?」と感じる方も多いのではないでしょうか。ふとしたときに不思議に思える「水」の性質に迫ります。

目次

1.水は基本的に腐らない

2.保管方法別・水が腐る原因と腐らせない防止策

3.水質によって水は腐る?

4.まとめ

1.水は基本的に腐らない

普段の生活にも、生命維持にも欠かせない水。腐ることに疑問がわくイメージの通り、基本的には腐りません。水は水素原子(H)2つと酸素原子(O)1つで構成されていて、化学式が「H2O」であることは多くの方が知っています。H2Oの結びつき方は「水素結合」といい、非常に強い結合力があります。水は化学的に安定している物質なのです。

また、不純物が取り除かれた水は「純水」や「超純水」と呼ばれ、薬や化粧品を作るために使われたり、精度の高さが求められる半導体の洗浄に用いられたりします。不純物がない水はほかの物質を溶かし込む力が強く、電気を通しにくいなど普段の生活で手に入れる水とは異なる性質を持っています。物質を溶かす力が強いため、自然の状態では水にさまざまなものが溶けているのです。

水は無機質

化学物質で、炭素(C)を含むものを有機質、含まないものを無機質といいます(二酸化炭素のような例外もあります)。有機物は生き物を構成する物質であり、無機物は生命感のないガラスや金属の元になっています。H2Oという化学式からわかるように、水は炭素を含んでいない無機物です。

実は「腐る」ことには有機物かどうかも関係しています。腐るということは、細菌の働きにより植物性・動物性のものが分解され、状態が変化することを指しています。生き物に由来する物質を持たない水は、腐敗していくという現象は起こらないのです。

ちなみに、微生物が作用して植物性・動物性のものが変化する現象で、分解により生み出されるものが人間にとって有益なものの場合は「発酵」として腐敗と区別されます。酵母によるアルコール発酵や、ヨーグルトやチーズに利用される乳酸発酵などが代表的です。

水道水は塩素で消毒されている

水そのものの性質によって腐らないということのほかに、水道水には塩素の消毒作用が働いていているため、衛生的な状態が保たれています。塩素は水中のアンモニアなどと反応してカルキ臭の元になるため、飲むときにおいしさや風味を損なうものとして敬遠されますが、浄水場から家庭に届くまで水の中に塩素が残ること(残留塩素)により、雑菌の繁殖を抑えています。

塩素の消毒効果が保たれている間は水の質が悪くなる心配はほとんどいらないでしょう。ただし、汲み置きやレモンを入れるなどの方法で、カルキは意外と簡単に抜くことができます。この状態では塩素の消毒効果がなくなってしまいますので、水は早めに飲むようにしましょう。

水が腐っている・臭いのはどういう状態?

水は腐らないはずなのに、「水が腐っている」ような状態を目にしたことのある方もいるかもしれません。それは水に溶け込んでいるものが腐っていたり、周囲の衛生状況によってカビなどが発生しているために腐ってしまったのです。つまり、水自体ではなく、水以外の何かが変化を起こしている結果です。

例えば飲みかけのコップやペットボトルであれば、口を付けたことにより食べ物が付着したり、雑菌が発生する原因になったりします。放置されたことで塩素が抜けてしまった水では、なおさら状態が悪化しやすくなります。また、温度や湿度が高いことも清潔さを保つにはマイナスです。一見何も入っていないように見える透明の水でも、このような要素が加われば細菌が繁殖しているでしょう。

前述したように、水はさまざまなものを溶かし込む性質があり、それにより化学反応が進んでいく「場」にもなる物質です。水に入った食べ物や糖分が細菌により変化を起こし始めてしまうと、水(特に温度が高い場合)は腐敗が進むのに都合のいい場=溶媒となってしまいます。

水は何日放置すると危ない?

浄水場を出た水の残留塩素が水道法上の最低ラインの量に減少するまで、夏場では日に当たると1日かからないという検証結果もあります。日の当たらない場所でも4日、冷蔵庫では1カ月ほどと、汲み置きをしてしまうと長期保存水のようには品質を保てません。家庭で保存したいときは清潔な容器を準備し、空気に当たらないよう水をいっぱいに入れてふたをしっかり閉め、古いものは飲まずに生活用水に使うことをおすすめします。

2.保管方法別・水が腐る原因と腐らせない防止策

基本的には腐ることのない水。しかし飲み物の保管の仕方が不適切だと、思った以上に短期間で飲めなくなってしまうことも……。お家で飲み物を見つけてがっかりしないためのポイントを紹介します。

ペットボトルの水

ペットボトルは直接口を付けて飲むことが前提で、水やお茶だけでなく清涼飲料水の種類も豊富で、不適切な保管をしていては腐敗したり細菌が繁殖したりする可能性が高い容器です。

ペットボトル飲料は開封したらなるべく早めに飲むことを心がけましょう。また、繰り返し使う場合は水ですすぐだけでなく、洗剤を使って洗うようにするのがベターです。緑茶やウーロン茶は抗菌作用があり細菌が増殖しにくいと考えられているため、長時間携帯したり、容器を再利用する場合はジュースではなく緑茶を選ぶようにすると、思いがけない飲み物の変質を避けやすくなるかもしれません。

水筒の水

繰り返し飲み物を入れて利用する水筒では、汚れをしっかり洗っているかが重要です。特に甘いものや乳製品を含む飲み物を入れた場合は注意が必要でしょう。

水筒の場合も、洗浄は水ですすぐだけでなく、洗剤を利用しましょう。また、細長い形状ゆえに水筒の底の汚れを落とせていないと、毎日持っていく飲み物がいつも雑菌にさらされている状態になってしまいます。手が入らなければ、柄のついたスポンジを活用し、底や縁までしっかり洗うようにしてください。また、直接口を付けて飲むタイプやストローが付いているものは、口に接する部分は特に清潔さを保つようにします。

雑菌があるからといって必ず体調に悪影響が出るわけではないので、過剰に気にする必要はありません。ただし、水筒は毎日使うため、管理もおろそかになってしまうことも。汚れが蓄積しないように気を付けましょう。

常温の水

コップのようなふたのない容器に入れた水道水は、塩素の消毒効果がなくなってしまいます。夏場は特に持ちが悪くなるため、コップに入れた水は早めに飲みきるようにしましょう。余ってしまった時は冷蔵庫に入れ、その日のうちの飲むのが無難です。

水道水を災害対策として保管するなら、清潔な容器に水を満たし、すぐふたを閉めて日の当たらない涼しい場所に置きます。ただし5日以上過ぎた水は、飲用水ではなく生活用水として使う方がいいでしょう。

いざという時の備蓄用に販売されている長期保存水(5年、10年など)は、製品に記載されている保管方法を守りましょう。保管場所は湿度が高くならないよう換気をし、木材や臭いの強いものと一緒に置くのは避けてください。保存水は殺菌した水を素早くペットボトルに詰めて、長く保存できるようにしたものです。保存期間内に水質が損なわれないよう、適切な管理を行いましょう。

3.水質によって水は腐る?

水道水は塩素による消毒効果がありますが、塩素が含まれない水ではどうなのでしょうか。ミネラルウォーター、天然水、井戸水について確認してみましょう。

天然水

特定の水源から採取された地下水に沈殿・ろ過・加熱殺菌以外の化学的処理が施されていないものです。こちらも腐敗の心配は、基本的にありません。源水のミネラル成分が調整されていないため「天然水」といわれます。

ミネラルウォーター

ミネラルウォーターは、特定の水源から採取された地下水に沈殿・ろ過・加熱殺菌以外の化学的処理が施されていないもの(=天然水)のミネラル成分を調整したものです。殺菌処理が行われており、人工的に調整されているミネラルは無機質であるため、水そのものが腐る心配は必要ないでしょう。水道水と同じように、衛生状態に気をつけて適切に保管しましょう。

井戸水

井戸水は、周囲の環境や利用状況により水質が違ってきます。飲み水として使うときは、地域の水道局に水質検査を依頼し、飲用が可能なことが確認できてからにしてください。災害時に緊急の生活用水として使う場合は、できる限り煮沸消毒をします。

土壌が汚染されておらず、地下水も良好な状態にあればおいしい水が飲めるかもしれませんが、普段活用していない井戸は落ち葉や生き物のフンなどが入っている可能性があります。また、川の水のように常に流れているわけではありませんので、場合によっては水(に入ったもの)が腐ってしまう可能性があります。透明で問題ないように見えても、検査されていない水を口にするのはやめましょう。

4.まとめ

水自体は腐るものではなく、水に溶け込んでいるものや、周囲の衛生状況が「腐るか腐らないか」のカギになるようです。食器や容器の汚れに気を付けて、きれいな水のある生活を送る参考にしてみてください。

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ミネラルウォーター
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