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  3. そのまま水を飲める国は何%?海外の飲料水事情とは

日本では、当たり前のように安全な水を手に入れることができます。しかし海外に出かけたときは、水に関する不便さを感じることがあるかもしれません。渡航する際には知っておきたい海外の水事情を紹介します。

目次

1.海外と比較した日本の水の安全性

2.日常生活における日本と海外の水の違い

3.まとめ

海外と比較した日本の水の安全性

安全な水を飲めるかどうかは、地域によって大きな差があります。世界では、安全な飲み水を確保できない状況にある人が6.6億人に達しています。

安全な飲み水を確保できないのは平均9%

2015年の国連のレポートによると、安全な水を確保できない人々は世界平均で約9%いるといわれています。国や地域によっては、直接飲むことができる水道水が安定して供給されている環境ではないといえます。

オセアニアでは44%、サハラ以南アフリカでは32%

水の環境に関して、地域ごとの差は顕著です。安全な飲み水を安定して利用できない人の割合が最も高いのはオセアニアの44%で、オーストラリアの水不足が背景にあります。次に割合が多いのは、サハラ以南アフリカの32%です。アフリカでは水道のインフラ整備や浄水処理が進んでおらず、家から離れた場所に水を汲みに行く女性や子どもが多くいます。

改善傾向にはある

世界には安全な水へのアクセスが難しいところもまだ多くありますが、長期的には大きく改善しています。1990年には世界平均には24%だった安全な水を安定的に利用できない人の割合は9%にまで減り、「2015年には1990年の割合から半減する」という目標は達成されました。各地域では、東アジアで28%、南アジアとサハラ以南アフリカで20%の改善が見られます。国際社会でこれからも改善に取り組み続ける課題として共有されています。

日本の水質基準は厳しい

国内の水の安全性は、整備された上水道や、水質基準によって保たれています。日本の水質基準は比較的厳しいとされ、都道府県によっては国の水質基準よりも厳しい基準を独自に定めていることもあります。

日本・アメリカ・EU・WHOの水質基準比較

日本・WHO(世界保健機関)・アメリカEPA(環境保護庁)、EUの主要な水質基準は以下の表の通りです。
大腸菌
国・地域 基準値
WHO 100mL中に検出されてはならない
アメリカ EPA 5%以下
EU 100mL中に0個
日本 検出されないこと
水銀
国・地域 基準値
WHO 0.001mg/L
アメリカ EPA 0.002mg/L 無機水銀として
EU 0.001mg/L
日本 0.0005mg/L
ヒ素
国・地域 基準値
WHO 0.01mg/L
アメリカ EPA 0.05mg/L
EU 0.01mg/L
日本 0.01mg/L
 
このようにそれぞれの項目について、日本の水質基準はほかの機関と同等か、より厳しい値となっています。

2.日常生活における日本と海外の水の違い

水を利用するうえで安全性は非常に重要ですが、ほかの側面からも「水へのアクセス」のしやすさを考えることができます。

日本と海外、水道料金の比較

たとえ安全な水があったとしても、飲み水や生活用水として利用するのに価格が高すぎると、「水へのアクセス」のハードルは上がってしまいます。利用しやすい料金であることも、インフラとして普及のためには重要なポイントです。
国名 水道料金(10立方メートル/月)
日本 13ドル
シアトル(アメリカ) 32ドル 無機水銀として
バンクーバー(カナダ) 31ドル
リヨン(フランス) 21ドル

世界の水道水、スタンダードは硬水? 軟水?

世界の水道水のスタンダードは硬水だといわれています。それに対し、日本の水の硬度は低い傾向にあります。地域によって異なりますが、仙台市では硬度20~40程度、大阪府や東京都で50付近などとなっています。酒造りで有名な「灘の宮水」は硬度180程度、那覇市は硬度200付近など、日本では例外的にミネラルが多く含まれています。水道水やミネラルウォーター、天然水として国内で入手できるほとんどの水が軟水です。 一方、中国やヨーロッパ、アメリカなどの各都市では、硬度が200~400ほどになる地点が多くあります。海外旅行で感じる水の味の違いは、硬度の差によるものではないでしょうか。

日本で軟水が多く、ヨーロッパで硬水が多い理由

日本では急勾配の地形が多く、水が地中に留まっている時間が短くなります。一方ヨーロッパでは平坦な地形が多く年数が長いため、石灰岩の層を通り抜ける間にミネラルが多く溶け出します。詳しくはこちらの記事で解説しています。

硬水では日本のせっけんは使えない

海外でシャワーを使ってみたら髪の毛がきしみ、せっけんは泡立たなかったという経験をお持ちの方もいるかもしれません。これにも、やはり硬度が関係しています。 硬水でせっけんを使うと、汚れを落とすよりも先に、せっけんの成分とカルシウムやマグネシウムが結びつき、「せっけんかす」を作り出してしまいます。海外の家庭では、洗濯に使う水を専用の機械で軟水にして使うこともあります。

海外の水道水にはフッ素が添加されている!?

海外の水道水には、フッ素が添加されている例があります。「水道水フロリデーション」と呼ばれる方法で、飲み水に含まれるフッ素の量を調節することで、多くの人の虫歯を予防するために行われます。濃度が高過ぎると歯の表面に白濁などが表れる「フッ素症」が発生しますが、適切な濃度であればフッ素症は発生せず、高い虫歯予防効果があることがわかっています。1945年にアメリカ・ミシガン州で行われたのが始まりで、現在ではオーストラリアやブラジル、イギリスなど約60の国で実施されています。 日本では一時期、京都市や三重県で行われていましたが、現在では中止されています。海外の水はカラダに合わない場合もありますが、虫歯になりにくいという点は国内より期待できるかもしれません。

3.まとめ

日本と海外の水事情を比べると、意外と多くの違いがあることがわかります。海外へ出かける方や、水の質が気になる方は、この記事の情報を参考にしてみてください。  

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