1. トップ/
  2. くらし、うるおすお役立ち情報/
  3. 湧き水は飲めるの?その仕組みや原理・各地の名水を紹介!

自然のおいしい水が飲めそうな「湧き水」。冷たく口当たりが良く、普段飲んでいる水とは違うイメージがあります。豊かな湧き水がある地域は有名な観光地であることも多く、実際に湧き水スポットでおいしい水が楽しめるかどうか、気になるところです。湧き水はすぐに飲めるのでしょうか。

目次

1.湧き水は飲める?

2.湧き水はどこから湧いている?

3.湧き水、名水の里全国ガイド

4.注意したいポイントを紹介

5.まとめ

1.湧き水は飲める?

スーパーやコンビニでは、地名の付いたミネラルウォーターや天然水が数多く販売されています。これらは加熱殺菌処理などが行われ、食品衛生法の安全基準をクリアしたものです。源水となる湧き水そのものは、必ずしもそのまま飲用できるわけではないようです。

飲める場所もある~自治体に確認を

湧き水といえば、ペットボトルやポリタンクで水を汲む人が通っている印象が強いかもしれません。しかし湧き水は水道水と異なり、浄水処理や消毒が行われていないため、自治体は「飲用可」と明言していないことが多くあります。湧き水を飲んでみたい、と思ったら、例えば個人のブログで「飲める! おいしい!」と書かれていても、自治体に確認をしたり、公式HPを閲覧したりすることが重要です。

水質検査結果が公表されているかチェック

自治体によっては湧き水の水質検査を行っていて、その結果を公表しています。良好な環境での湧き水は、大変厳しいといわれる水道水の水質基準を問題なくクリアしていることも。訪ねてみたい観光地が湧き水で有名な地域であれば、やはり飲めるかどうか気になります。水質検査が行われている水源なら、安心度は高まります。

慣習的に利用されている湧き水は自己責任で

自然の地層にろ過されたきれいな水は、水質も良好なものがあります。しかし水道水として自治体が管理していないため、飲む場合はあくまで「自己責任」で、煮沸消毒をすることが推奨されています。

また、美しい湧き水の特集として有名な環境省の名水百選(昭和・平成)は、そのまま飲めることを基準に選出されたものではなく、水源として利用されているものから立ち入り禁止の湧き水まで、幅広く含まれています。名水百選に選ばれているといった情報は、魅力的な観光地であるひとつの指標として考えておきましょう。

2.湧き水はどこから湧いている?

どこからともなく湧いているように見える湧き水は、山や森林に降った雨や雪が元になっています。木々や地層があるため、雨や雪の水はそのまま地表で流れ続けることはなく、一度土に染み込んでいきます。

湧き水の仕組み

地面に染み込んだ雨水がいくつもの地層でろ過され、水を通しにくい層の上で地下水として流れます。この水が地形などの影響で、人工的な力を加えることなく地表に吹き出てきたものが湧き水です。つまり、地下水と湧き水はまったく別の水ではなく、地下水が湧き出ると湧き水といわれるようになります。

ミネラルウォーターや天然水として販売されている水は、地下水を源水としています。河川や湧き水など、地下水以外に区分される水を原料にして販売されている水は「ボトルドウォーター」と呼ばれます。飲める湧き水に興味があれば、ボトルドウォーターを探してみるのもいいかもしません。

おいしい湧き水の成分は?

日本人が慣れ親しみ、おいしいと感じる水は硬度の低い軟水です。都市の水道水は硬度50~60程度までの場合が多いため、硬度が高い水だとなんとなく味のクセを感じることがあるかもしれません。また、水のおいしさには冷たさも影響します。冷たく硬度の低い水がおすすめです。

水道法や食品衛生法による水質基準とは別に、1985年に厚生省(現在の厚生労働省)が発表した「おいしい水の要件」があります。湧き水の水質検査結果が公開されていたら、おいしい水の要件と比べてみてください。

蒸発残留物
(1ℓあたり
30~200㎎)
水が蒸発した後に残る物質で、主にミネラル分。多く含まれると苦みや渋みがあり、適度に含まれると、まろやかな味が感じられる。
硬度
(1ℓあたり
10~100㎎)
ミネラルの中で量的に多いカルシウム・マグネシウムの含有量を示し、硬度の低い水はクセがなく、高いと人によって好みが分かれる。
遊離酸素
(1ℓあたり
3~30㎎)
溶け込んでいる炭酸ガスや酸素の量を表す。水にさわやかな味を与えるが、多いと刺激が強くなる。
過マンガン酸
カリウム消費量
(1ℓあたり
330㎎以下)
有機物量を示し、多量に含まれると水に渋味が出る。
臭気度
(3以下)
臭いの強さを表す。臭気度 3以下とは、 異臭味を感じない水準。
残留塩素
(1ℓあたり
0.4㎎以下)
衛生上、水道水には残留塩素が必要だが、濃度が高いとカルキ臭の原因になる。
水温
(20度以下)
冷やすことによりおいしく飲める。体温より20~25度低い温度がおいしいとされている。

3.湧き水、名水の里全国ガイド

名水といわれる、日本各地の湧き水を紹介します。

北海道

羊蹄の吹き出し湧水

北海道虻田郡の京極町にある羊蹄山から吹き出す湧き水です。「吹き出し」という名前の通り、標高200メートル付近では河川のように、1日に8トンという大量の水が吹き出しています。水温は年間を通して6.5度程度と安定しています。
名水百選(昭和)と北海道遺産に選ばれている観光名所です。JR倶知安駅からバスで京極農協前下車、徒歩10分のアクセスです。

関東地方

お鷹の道・真姿の池湧水群(東京都国分寺市)

東京都国分寺市にある水の名所です。東京都で唯一の自然湧水といわれ、名水百選(昭和)にも選ばれています。新宿から30分と都心からも近いアクセスですが、歴史的な遊歩道「お鷹の道」は鳥居が印象的で、のどかで落ち着いた雰囲気に包まれています。
水を汲む人も多く、湧き水を利用したコーヒーが飲める喫茶店もあります。ただし、国分寺市では水質検査を行っていないため、飲用は自己責任での判断になります。

富士山の湧き水(山梨県、静岡県)

天然水やミネラルウォーターが数多く販売されている、言わずと知れた名水です。静岡県にある柿田川湧水群の水量は1日に約110万トンで、日本一の湧水量です。柿田川は長良川、四万十川と並んで日本三大清流として知られています。水温はおおむね15度で安定しています。
また、山梨県南都留郡にある「忍野八海(おしのはっかい)」は、美しい湧き水スポットとして有名です。
富士山周辺は湧き水が多く、このほかにも名水スポットがいくつもあります。飲んでみるときは訪ねてみた地域の自治体や観光協会に問い合わせるか、自己判断で飲む場合も煮沸をしてから冷たくするのが無難です。

岐阜県大垣市

岐阜県大垣市は「水の都・おおがき」のキャッチフレーズからもわかるように、湧き水が数多くある都市です。大垣市が湧き水マップとして情報を公開している井戸は23カ所あります。そのうち20の井戸が自噴している水を汲むことができます。なかでも加賀野八幡神社井戸は平日でも水を汲む人で混雑する人気の井戸です。ただし、大垣市は「湧き水は塩素減菌等を行っていないものもあります。飲用は自己責任でお願いします」と注意喚起しています。井戸は神社の敷地内にあるものも多く、ひしゃくで冷たい水に触れる井戸めぐりを楽しめるのではないでしょうか。

まつもと城下町湧水群(長野県松本市)

国宝である松本城の城下町で、観光地として有名です。山岳地帯や扇状地があり、地下水が豊富で多くの湧き水スポットや井戸があります。市が管理する公共の井戸もあり、水汲みや打ち水に使われています。

針江 生水の郷(滋賀県高島市)

滋賀県湖西築の湧水群で、「川端(かばた)」がテレビで紹介されたこともあり、人気の観光地となっています。川端とは飲み水から食器洗いまで一通り水を使えるようにした湧き水で、地下水が湧く元池と、その周りの坪地・端池で構成されています。飲むためには最初のきれいな水を使い、次の水で野菜を洗ったり食器についたものを落としたりします。さらに水の中に落ちた食べ物は魚のエサになります。現代でも生活に密着した湧き水が保たれている地域です。

垣花樋川(沖縄県南城市)

「かきのはなひーじゃー」と読み、名水百選に選ばれたものでは日本最南端の湧き水です。昔ながらの風景が魅力のこの地域には、石垣が特徴的な湧き水や、神秘的な鍾乳洞「玉泉洞」があります。暑い夏には湧き水の冷たさが心地いいでしょう。豊かな自然の中にたたずむ石畳が印象的です。

4.注意したいポイントを紹介

湧き水を安全に利用するためには、立地を観察することも重要です。どのようなポイントを知っていればいいのでしょうか。

浄水場を通していない湧き水は地質の影響を受けやすくなっています。そのため以下の条件に該当するような場合は、飲用を避けましょう。

  • 付近にかつて鉱山があった場所
  • 付近に温泉がある場所
  • 上流部に家畜飼育施設があったり、農地がある場所
  • 上流部に産業廃棄物の不法投棄があった場所

食中毒に気をつけよう

2017年5月、新潟県の里山の湧き水を飲んだ児童が食中毒の症状を訴え、一部で細菌のカンピロバクターが検出されたことがありました。カンピロバクターは鳥や動物の腸にいるとされる細菌で、フンなどで感染します。数十年間食中毒は報告がなかったという名水ですが、まれにこのようなことが起きることもあります。もし湧き水を飲んで不調を感じたら、病院で診察を受ける、自治体へ連絡を入れるなどの適切な対応をするようにしましょう。

湧き水の賞味期限は?

湧き水は販売されている天然水などと異なり、賞味期限などは決められていないものです。水温も、湧き水が出ている場所では冷たく安定していますが、小さな容器に汲んだ後では保管状況によって変わってしまいます。地元で生活用水として活用されている方は感覚的に水の状態を判断できるかもしれませんが、観光地を訪ねて汲んだ湧き水は、長く保管せず飲みきれる量を楽しむのがいいかもしれません。

5.まとめ

湧き水のポイントと、名水の観光地を紹介しました。緑が多く里山が多い日本では、湧き水のある土地が数えられないほど存在しています。自然と触れ合うきっかけとして、名水を訪ねてみてはいかがでしょうか。

関連ダグ|
天然水
, 湧き水

あわせて読みたい

くらし、うるおすお役立ち情報More

くらし、うるおすお役立ち情報